旧宇田川家住宅|浦安市の歴史を伝える明治に建てられた商家の住宅
旧宇田川家住宅は千葉県浦安市堀江に保存されている浦安市指定有形文化財の木造建物です。敷地内に建てられた「旧宇田川家住宅開館案内」によると、浦安市内の建築年代のわかる古民家として最古で、明治2年(1869)に宇田川吉蔵によって建てられたそうです。吉蔵は、浦安市、そして隣接する東京都江戸川区葛西や同江東区砂町地域の開発に深く寄与した名主宇田川家の庶流で、屋号は「藤村屋」、米屋、油屋、雑貨屋、呉服屋、郵便局、診療所など様々なビジネスが時代ごとに営まれた商家の建物だったそうです。
同案内によると、本家の宇田川家は、扇谷上杉家を継いだ上杉定正の末孫と伝えられる家で、姓の宇田川は定正愛用の名刀「宇多丸」にちなんで名付けられたといわれています。また、新編武蔵国風土記稿には、宇田川家の始まりは、扇谷上杉持朝の子朝昌の庶子の定次が一度東永房と号して出家しましたが、後に還俗し宇田川郷右衛門と名のり武蔵国品川に住みました。この時から宇田川と名のったそうです。そして郷右衛門の子が小松川村付近(江戸川区小松川)の蘆原を3千石の地を開墾し宇喜新田(現江戸川区北葛西、宇喜田等)と名付けたそうです。そして江戸幕府により、その功を讃えて上田一町五段を賜わったそうです。また、同書に、名主は「宇田川を氏とする則宇田川喜兵衛か分家なりとす。」とあります。寛政10年には、名主宇田川伊左衛門が宇喜田行徳筋御鷹狩肝煎り役となったとあります。また市内
大蓮寺には、幕末から明治にかけて浦安の人々のために尽力した宇田川六郎兵衛の墓もあります。
旧宇田川家住宅は、文化財の木造建築物というだけでなく、浦安や東京湾沿岸の地域の歴史を伝える大切な歴史遺産です。
引用・抜粋ならび参考文献
旧宇田川家住宅内案内板
浦安市ホームページ
新編武蔵国風土記稿
江戸川ライン歴史散歩 崙書房
旧宇田川家住宅の最寄り駅と住所
東京メトロ東西線「浦安駅」より徒歩7分
千葉県浦安市堀江3−4−8
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