本文へスキップ

Nakayama is in between Narita And Haneda International Airport

English Page

長谷山安国寺と妙見菩薩像

長谷山安国寺の桜長谷山安国寺本堂から望む桜 長谷山安国寺妙見堂と鬼子母神堂
市川市北部の曽谷の台地の住宅街の中に本堂の他に、鬼子母神堂と妙見堂などの堂宇のある大きな寺院があります。長谷山安国寺です。長谷山安国寺の開基は鎌倉時代に日蓮宗の開祖日蓮聖人が中山の地を訪れた際に深く帰依した信者の一人で、法華経寺初代管主の富木常忍、大壇越太田乗明と共に帰依した後に日禮と号したこの地の領主曽谷教信が建立したお寺です。曽谷氏は中世下総国で活躍した千葉氏の一族。長谷山安国寺は千葉氏の繁栄を願う寺とも言われている。また、曽谷教信が霊夢を見たことで勧請したと伝えられている千葉寺の妙見菩薩像と同木の端っこで彫られた妙見菩薩像を安置していると、江戸名所図会や葛飾記等で紹介されている由緒ある日蓮宗の寺院。曽谷氏は中世、この地を治めた武家であり、葛飾記によれば、長谷山安国寺の地は、鎌倉時代の曽谷城址と紹介されています。また、安国寺の近くには戦国期の曽谷城跡もあります。

長谷山安国寺

長谷山安国寺本堂長谷山安国寺妙見堂

長谷山安国寺

曽谷の領主、曽谷教信が日蓮聖人に帰依し、立正安国論に因んで館の傍に一寺を建てたのが、この長谷山安国寺で、文応元年(1260)のことと伝えています。
教信は後に出家し、日蓮から法蓮日礼の法号を授けられました。そして、曽谷一族のことを子息胤継に託すと、自らは安国寺に住して妙見菩薩を祠り、千葉一門の安泰を祈願しました。
その後、大野に一寺を建て、法号をとって曽谷山法蓮寺と名付け、そこに移り住みましたが、正応4年(1291)5月1日、68歳でこの世を去りました。
康正2年(1456)曽谷氏は滅亡しますが、その後は境内も荒れ果て、残されたものは妙見堂のみであったといいます。そして寛文9年(1669)に至り、諸堂の再建にあたったのだ18世日順上人でした。
延享元年(1744)4月、江戸の儒学者服部南郭と、書家松下雨石(烏石)は安国寺境内に王義之の像を安置した宮を建て、鳥居には「晋右軍王公廟」と雨石の書になる石額を掲げ、その由来を刻した石碑も建てました。このせき石額は寛政3年(1791)の暴風で損傷し、石碑も紛失してしまいました。
曽谷の地に王義之の宮が建てられたりしたことは、国府台の古戦場や、万葉集の伝承を慕って真間の地を訪れた文人墨客の中には、曽谷まで足を延ばし、安国寺や曽谷氏の館跡を尋ねる人も多かったからだと思われます。

昭和56年3月
市川市教育委員会


曽谷教信(日礼) 承久4年〜正応4年(1223-1291)

桓武平氏高望王を祖とする千葉氏の庶流士族。鎌倉時代に、下総国葛飾郡八幡荘曽谷郷の地に館を有していた。曽谷教信の代、日蓮宗開祖日蓮に帰依し、その後出家し法蓮日礼の法名を日蓮より授かりました。法華経寺初代管主日常上人、大壇越太田乗明と共に日蓮聖人に篤く帰依した人物。


王義之 (307-365)

中国東晋の書家。山東の人。
役人となったが数年で退官。隷書をよくし、楷・行・草の三書体を芸術的な書体に完成、書聖と称された。実子の王献之も書に通じる。その書は奈良時代日本に伝わり、上代様の成立に大きな影響を与えた。真跡は存在しないが、模本や拓本が伝えられる。


服部南郭 天和3年〜宝暦9年(1683-1759)

江戸中期の京都出身の儒者・詩人。はじめ和歌と画で柳沢吉保に仕え、のちに荻生徂徠に入門した。絵・和歌でも有名で、詩文集「南郭集」を著した。


松下雨石(烏石) 元禄12年〜安英8年(1699−1779)

江戸時代中期の書家。儒学を服部南郭にに学ぶ。


抜粋・引用および参考
長谷山安国寺前市川市教育委員会案内板
市川市ホームページ
江戸名所図会6 ちくま学芸文庫
房総叢書 : 紀元二千六百年記念. 第8卷葛飾記
房総叢書 : 紀元二千六百年記念. 第6卷葛飾誌略
日本史辞典 新制版
大辞林
世界日本人名事典

長谷山安国寺の交通案内と所在地

長谷山安国寺

千葉県市川市曽谷1-35-1
  • JR総武線・都営地下鉄新宿線「本八幡駅」、京成本線「京成八幡駅」より、JR武蔵野線・北総開発鉄道「東松戸駅」 ゆき京成バス約10分「宮久保坂上」「貝塚入口」より徒歩10分
  • JR武蔵野線・北総開発鉄道「東松戸駅」よりJR総武線・都営地下鉄新宿線「本八幡駅」 ゆき京成バス約10分「貝塚入口」「宮久保坂上」より徒歩10分

長谷山安国寺周辺名所の地図

長谷山安国寺周辺名所の案内図

印刷は下のPDFをご利用ください。
真間川流域名所案内図のPDF

長谷山安国寺近くの観光名所 ご案内

葛飾八幡宮随神門

下総国総鎮守葛飾八幡宮

平安時代創建の八幡様。多くの関東武士や文学者に信仰された神社。
八幡のやぶしらず

八幡の藪不知(不知八幡森)

様々な伝説に彩られ、江戸の昔から知られた市川市の隠れた名所。

白幡神社の桜並木

白幡神社

源頼朝公の伝説のある白幡神社。参道の桜並木は、下から眺めても、上から見ても壮観。
白幡天神社の梅

白幡天神社

幸田露伴文学碑、永井荷風記念碑、勝海舟揮毫の社額、太田道灌と源頼朝ゆかりの古社。

宮久保山圓寺の藤まつり

宮久保山圓寺

長寿ふじと呼ばれる樹齢200年を超える藤の木で有名な古刹。ふじ祭りの時には参拝者で賑わいます。
御代院の小祠

御代院

菅野の住宅街にひっそりとたたずむ平将門とその将兵を生涯弔った菅野氏夫妻を祀る祠。

長谷山安国寺の妙見堂

長谷山安国寺

千葉寺の妙見菩薩像と同木で作られた妙見菩薩像を祀ることで知られる日蓮宗の古刹。
甲の社

甲大神社 甲の宮

応神天皇、神功皇后、平将門、源義家などの兜を祀ったという伝説のある神社。

脚本家水木洋子の家

脚本家 水木洋子の家

戦後から市川市八幡の地を拠点に日本映画の黄金期に多くの作品を残した脚本家水木洋子さんの家。
桜の名所真間川の桜並木

桜の名所 真間川

市川を縦横に流れる真間川は、桜の名所としても有名です。見の時期にはたくさんの人で賑わいます。

小栗判官ゆかりの神明寺

神明神社と鬼越山神明寺

保存木に囲まれた歴史ある神明社と小栗判官ゆかりの銀杏とお不動様で知られる鬼越山神明寺。
コルトンプラザの桜

コルトンプラザ周辺

JR本八幡駅からシャトルバスも出ている商業施設。博物館や図書館あり、一日中楽しめます。

- 広告 Advertisement -