式正織部流茶道の茶室|千葉県指定無形文化財式正織部流茶道
バス通りから里見公園の正門に向かう桜並木の中、緑に包まれた小さな木造の平屋が見えます。
式正織部流茶道の茶室だそうです。門前には
式正織部流茶道についての説明が書かれた案内板がありますが、お茶室の名前はありません。門の上の額に「竹?亭」と書かれています。さて、なんと読めるのでしょうか?柵の外からそっと中を覗くだけで十分雰囲気を楽しむことができる素敵な空間です。
戦国時代の武将で茶人、
古田織部の創始した式正織部流茶道は、昭和30年に千葉県指定無形文化財に指定された歴史と伝統ある茶道の流派です。
千葉県指定無形文化財 式正織部流茶道(しきせいおりべりゅうさどう)
保存団体 織部桔梗会
指 定 昭和30年12月15日
式正織部流茶道は、
古田織部正重然(ふるたおりべのしょうしげなり)によって創始されました。重然は美濃国(岐阜県)の人で、織田信長、豊臣秀吉に仕えた3万石の大名でした。
茶の湯を千利休に学び、利休なきあと一流をなして、徳川二代将軍秀忠をはじめ諸大名に茶法を伝授したが、大阪夏の陣で豊臣方に内通したとの疑いをかけられ、慶長20年(1615)切腹を命じられて一族は滅びました。
重然の創始した茶道は式正織部流と称して、古田家の傍系によって代々継承され、14代古田宗関に至りましたが、その後は古田家を離れ15代は門下の原鉄石が、16代は秋元瑞阿弥が継承しました。
秋元瑞阿弥は昭和30年、千葉県指定無形文化財保持者に認定されましたが、38年に没し、以後は織部桔梗会が無形文化財の保持に当たっています。
式正織部流の特色は、利休以後の「侘」「数寄」を強調した草庵での侘茶、即ち「私の茶」に対して書院式茶室で点てることを基本とした、「公の茶」ということが出来ます。
古田織部は茶室や茶道具にも創意を凝らし、また陶芸では織部焼を今日に伝え、さらに庭園に豊かな好みをもった織部灯篭を残しています。その門下には
本阿弥光悦や小堀遠州などがおりました。
平成3年3月
千葉県教育委員会
市川市教育委員会
式正織部流茶道茶室前案内板より
※ 一部割愛
古田織部(1544〜1615)
戦国時代後期の安土桃山から江戸時代にかけて活躍した美濃(岐阜県)出身の戦国武将で茶人。通称佐介、名は重然(しげなり)。号は宗屋、印斎。道号は金甫。織部流茶道の祖。はじめ美濃の大名土岐氏・斎藤氏に仕え、次いで織田信長に従う。信長の死後豊臣秀吉に従い、秀吉が関白に任ぜられると、従五位下織部正に叙任し「織部」と呼ばれるようになる。そして京都の南の西ヶ岡に3万5千石を与えられた。古田織部は、また茶の湯を好み、千利休に学び、利休の死後「天下一の宗匠」と称され、一派「織部流」を創始した。利休高弟七哲の一人。秀吉の死後、徳川家康・秀忠に仕えたる。徳川秀忠はじめ諸大名に茶の湯を伝授。関ヶ原の戦いでは徳川方に属し功を上げたが、大阪夏の陣で豊臣方に内通したとの疑いを受け切腹を命ぜらる。享年72才。墓は京都市上京区の興聖寺にある。
古田織部は形のひずんだ茶碗や、窓の多い多窓形式の茶室を好み、このような美的意識や思考は「織部好み」と呼ばれ、時代の流行となった。織部焼・織部灯籠などが今に残り、茶室には、興福寺八窓庵、藪内(やぶのうち)家燕庵(えんなん)などがある。「茶術百箇条」などの著書がある。弟子では、徳川秀忠・
本阿弥光悦・小堀遠州が有名。千葉県指定無形文化財式
正織部流茶道は市川市で織部桔梗会により保存され、同市国府台に茶室もあります。
抜粋・引用および参考
式正織部流茶道茶室前案内板
市川市ホームページ
新制版 日本史辞典
大辞泉
クロニック戦国全史
美術人名辞典
ブリタニカ国際大百科事典
世界大百科事典 第2版
百科事典マイペディア
日本大百科全書(ニッポニカ)
ウィッキペデイァ
式正織部流茶道茶室の最寄り駅と住所
- 京成本線「国府台駅」徒歩10分
- 北総開発鉄道「矢切駅」より徒歩10分
- 千葉県市川市国府台3−8
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式正織部流の茶室
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