瀧亀山清泰院浄興寺|今井の渡しの歴史を伝える古刹
江戸川今井の渡し跡のほど近い住宅街の中、近代的な堂宇の立ち並ぶ
瀧亀山清泰院浄興寺があります。緑豊かな境内には区指定の文化財も多数安置されています。
浄興寺は江戸名所図会にも紹介されている、江戸時代から多くの人々に信仰された浄土宗の寺院。本尊は阿弥陀如来。室町時代の永正6年(1509)に、連歌師柴屋軒宗長は、隅田川を下り今井の渡しを通り浄興寺にたちより、「富士の根は遠からぬ雪の千里かな」を残している。今井の渡しは室町時代からあり、そして当時は富士山が良く見えたこともこの句からわかります。
また、戦国時代の天文15年(1546)には、小田原北条氏3代目北条氏康が一宿し「松風の吹く音きけばよもすがらしらべことなるねこそかわらぬ」と句を残しています。江戸名所図会には本堂前に「琴弾の松」と呼ばれる大きな松の木が描かれています。
瀧亀山清泰院浄興寺は今井の渡しと地域の歴史を今に伝える素敵な古刹です。
瀧亀山清泰院浄興寺
浄興寺
浄土宗の古刹で瀧亀山清泰院と号し、もとは芝増上寺の末寺でした。文永3年(1266)源清和尚が草庵を結んだのが始まりで、弘安年間(1276〜87)に記主禅師が鎌倉の光明寺から下総の光明寺へ赴く途中この寺に一宿した時住持が開山を願ったものといわれます。
■木造大塚氏先祖夫妻坐像(区登録有形文化財)
大塚家は今井村の草分けで、寺にある坐像は江戸時代初期の作と推定されています。
■大塚宗蔵の墓(区登録史跡)
大正初年度まで本区の地場産業だった梨栽培の創始に力を尽くした大塚宗蔵(文政7年〈1822〉没)とその家族の墓です。
■新川梨の碑(区登録有形文化財)
文政八年、宗蔵の一周忌に建てられました。
■力誉上人筆子塚・順定和尚筆子塚・声誉上人随誉上人筆子塚(いずれも区登録有形文化財)
寺の歴代住職は寺子屋を開いて村人の教育に努めました。三基とも長卵形の石造無縫塔で、筆子たちによって建立されたものです。
平成5年(1993)3月
江戸川区教育委員会
瀧亀山清泰院浄興寺門前案内板より
■新川梨について
享和(1800年頃)の時、大塚宗蔵は新川の南で梨の栽培を始めた。改良を重ね文政4年(1821年)の秋収穫した梨を幕府に献上し好評を得、その後も毎秋幕府に納めた。
この梨は、甘く柔らかく歯切れがよく天下にない味覚で「新川梨」と呼ばれ江戸の町で売られ、新川周辺で栽培も広まったが、大正6年(1917年)の大水害を受け、その後梨栽培は衰退した。
文政8年(1825年)宗蔵の子吉豊は父の一周忌にあたり業績を刻んだ石碑「楽誉君種梨樹碑」を梨園に建てた。
この碑は、現在大塚家の菩提寺今井の浄興寺に移されている。
平成27年3月 江戸川区
新川口児童遊園内案内板より
引用・抜粋および参考
瀧亀山清泰院浄興寺門前案内板
江戸川区東葛西 新川口児童遊園内案内板
江戸名所図会6 ちくま学芸文庫
瀧亀山清泰院浄興寺の最寄り駅と住所
- 都営新宿線「一之江駅」徒歩14分・「瑞江駅」徒歩16分
- 東京都江戸川区江戸川3-22-5
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瀧亀山清泰院浄興寺
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