姥山貝塚公園(国指定史跡)
姥山貝塚公園は、その名の通り縄文時代中期から後期(約4500〜3000年前)にかけて形成された馬蹄形貝塚である姥山貝塚をを史跡公園として整備した公園です。また、姥山貝塚は、縄文時代の竪穴住居跡が日本で初めて完全な形で発掘された国指定史跡の貝塚です。姥山貝塚公園は、貝塚の範囲がわかるように整備され、地点ごとに説明板があります。広々とした緑地公園です。お散歩途中に立ち寄るには最適な史跡公園です。
姥山貝塚(国指定史跡)
姥山貝塚は、千葉県市川市柏井町一丁目にある縄文時代中期から後期にかけての貝塚。大柏川左岸の標高約24メートルの台地上に広がった東西130メートル・南北120メートルの南に開口した馬蹄形の貝塚である。現在は、姥山貝塚公園として整備されている。
この貝塚は縄文時代中期〜後期(今から約5000年〜3000年前)に形成された東西約130m、南北120mの馬蹄形(C字形)貝塚です。堀之内貝塚(市川市北東部)と同様、ハマグリを主体としてアサリ、シオフキなど30種以上の貝が出土しています。
比較的早い時期からその存在が知られ、1893年以後何度か調査が行われていたが、本格的な調査は1926年の東京人類遠足会及び東京帝国大学人類学教室による発掘調査である。その結果、縄文時代の竪穴式住居跡が完全な形で発掘されたばかりではなく、計20件確認することが出来た。これは縄文時代の集落の存在を示す最初の遺跡の発見であった。更にうち1つからは成人男女各2名と子供1名、計5名の人骨が発掘され、当時の住居の居住人数を推測する手掛かりともなった。ちなみに、この住居跡からはフグの骨も発掘されており、ここの住人たちはフグを食べて中毒死したとする説もあるが、詳細は不明である。その後も周辺部の調査が進み、計39か所の竪穴式住居跡、計143体の人骨が発掘されており、当時の集落の構成や埋葬に関する貴重な資料を提供した。
とくに重要なのは大正15年(1926)に行われた第8回東京人類学会遠足会で貝層の下からはじめて遺構を検出することに成功し、これを契機に東京大学人類学教室による大規模な調査が実施された。この調査で人骨や遺物とともに炉址と竪穴住居址が発見されていますが、竪穴住居址の全容が平面的にとらえられたのはわが国で初めてのことでした。人骨は一つの竪穴住居の床に、事故にあったとも思えるような折り重なった形状で、子供1体、成人女性2体、成人男性2体の計5人が発掘され、貴重な資料となりました。この特異な出土状況から、フグ中毒による死亡説をはじめ、当時から5人の関係・死亡原因の推定など大きな話題を提供してきた。
発掘品は東京大学・南山大学・明治大学などに保管されているほか、同じ市川市内の堀之内貝塚に隣接して建設された市川考古博物館にも展示されている。
昭和42年8月17日に国指定史跡に指定される。
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姥山貝塚で出土した中期の土器
その後の発掘から土器においては、阿玉台式、加曽利EI式、堀之内I式、加曽利BI式など縄文時代中期〜後期にかけての数多くが発見され、共同墓地と思われる場所からは、多数の人骨とともに、装身具や特殊器形の土器なども発見されて注目されました。現在までに発見された竪穴住居址は39か所、人骨は143体にのぼります。
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「でえだらぼう」と姥山貝塚
でえだらぼう
「でえだらぼう」は、「ダイダラボッチ」「だいらんぼう」「だいらぼう」「だいだら坊」「デエダラボッチ」「でいらぼっち」等とも言われ、奈良時代に編纂された「風土記」にも表されているように、古くから伝わる巨人伝説です。
古代の人たちが、海から遠く離れた台地に残る貝塚などを見て、不思議に思いながら想像した巨人であると考えられます。
市川にも姥山貝塚のある柏井周辺では、台地に湧水の池が多くあり、巨人の足跡ではないかと伝えられていたようです。県内・近県にも巨人が残した足跡の伝説が語り継がれています。
一方、日本民俗学の祖である柳田国男は、『ダイダラ坊の足跡』という論考の中で、「大人(おおひと)」を意味する「大太郎」に法師を付けた「大太郎法師」であり、一寸法師と対をなすものと解釈しています。
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姥山貝塚公園の最寄り駅と住所
- 千葉県市川市柏井町1−1212ほか
- JR武蔵野線「船橋法典駅」より徒歩15分
姥山貝塚公園近くの観光名所 ご案内
中山法華経寺の参道や周辺にはたくさんの寺院があります。これらの寺院は奥之院や遠寿院をはじめ、中山四院家と呼ばれ、法華経寺の歴史を共に伝え、中山の街の文化を彩る素敵な寺院です。
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剣豪宮本武蔵の隠れ家、吉川英治著「宮本武蔵」で武蔵と伊織が出会った場所として紹介されているお堂。
市指定文化財「日蓮坐像」と、忠臣蔵「松の廊下」に登場する梶川与惣兵衛ゆかりの歴史あるお寺。
国指定史跡 姥山貝塚
縄文時代中期から後期の馬蹄形貝塚。竪穴住居跡が日本で初めて完全な形で発掘された国指定史跡。
七経塚伝説で知られる桜の霊場として知られる寺院。市川七福神の寿老人と福禄寿をお祀りしています。
常盤井姫に創建と、奉免の地名の由来を伝える、日蓮宗最初の尼寺。
中山法華経寺参道にある静かな庭園。市川市役所の出張所もあります。
戦国里見氏の少年武将広次にまつわる言伝えのある神社。
戦国里見氏に仕えた武将正木時総にまつわる言伝えのある古社。
保存木に囲まれた歴史ある神明社と小栗判官ゆかりの銀杏とお不動様で知られる鬼越山神明寺。
日蓮宗開祖日蓮聖人と中山法華経寺初代管主日常聖人ゆかりの小さな八幡宮。
日蓮聖人ゆかりの寺院と地域の自然を保存した藤棚のある小さな池。
葛飾の小さな丘の上に建つ、永井荷風も訪れた桜の花咲く鎮守様。
永井荷風に紹介された、葛飾湧水群を偲ばせる住宅街に残る井戸。
満開の桜と国指定重要文化財の共演が美しい、鎌倉時代から続く古刹。
市川を縦横に流れる真間川は、桜の名所としても有名です。お花見の時期にはたくさんの人で賑わいます。
JR本八幡駅からシャトルバスも出ている商業施設。博物館や図書館あり、一日中楽しめます。
桜のお花見の名所として知られる中山法華経寺。国指定の重要文化財が複数ある博物館のような古刹。